終戦のローレライ/福井晴敏

終戦のローレライ(1) (講談社文庫)終戦のローレライ(2) (講談社文庫)終戦のローレライ(3) (講談社文庫)終戦のローレライ(4) (講談社文庫)
やっとこさ読了しもうした。文庫本4冊はとてもとても長い道のりなるも、超弩級の面白本だった。いささか長目ではありますが。
年を経るごと、涙腺が緩み往く中、膨大な活字を追うほどに琴線に触れるエピソードが溢れてたりするため、出勤途上や出張時の移動の車中にて嗚咽こそこらえるものの、終始湧き上がる熱い想いに目は曇りがち。本日も往路の車中、目に溢れるものを拭いつつ終章に目を通したのでありました。最後の最後、海が漏らす○○を感知するところ、またもややられてしまいました。グッショリ。
潜水艦といえば、やはりクランシーの「レッド・オクトーバーを追え」ですが、個人的にはその後の「レッド・ストーム・ライジング」で西側の硬直状態を打破する活躍に魅せられたものでした。「沈黙の艦隊」ってのもありましたね、戦闘シーンこそ面白かったけど、最後は訳わからなくなってつまんなかったかと。
ローレライの実態が判明していくごと、???、何、F・ポール・ウィルソンばりのオカルト兵器?。やや興醒めの感があったりもしますが、ファンタジーであったかとすれば理解も違ってきます。帝国海軍の潜水艦に女の子が乗艦していること自体ファンタジーではありませんか。
「悲鳴の聞こえない海」、良いフレーズです。この作家、次回は単行本、初版、即買いすることとしよう。