「フランチェスコの暗号」

フランチェスコの暗号〈上〉 (新潮文庫)
下巻の帯にはネルソン・デミルの言として「フィツジェラルドとウンベルト・エーコダン・ブラウンの共著はこうなる!」とある。主人公がプリンストン大学のエリート学生っていってもフィツジェラルドは違うわな、ウンベルト・エーコならさらに迷宮度が増し複雑怪奇となるだろう、ダン・ブラウンは流行の「ダ・ヴィンチ・コード」を読んでいないので? 一応ミステリーの体裁をとっていて、当然のこととして死体も何体か。そんなんことどもがなくともこの小説は成立するだろうから、もっとアカデミックに徹した方が面白いかなと思う。
通勤時間のみに限定していて、読むのにエラく時間がかかってしまったが、謎解きの過程、解読されたメッセージと、終盤はそれなりに楽しめ、途中で投げ出すことなく読了できたのは幸いであった。
解説を読んでビックリ、古書「ヒュプネロトマキア・ポリフィリ」は実在し、澁澤龍彦さんの著作で取り上げられたこともあるという。澁澤さんの本、昔よく読んだのだが記憶にないなあ。