えべっさん−西宮神社

JR西ノ宮駅前のTSUTAYAにDVD返却後、少し足を伸ばして西宮神社に向かう。本番の十日えびすは明日のこと、本日は宵宮とはいえ当然のことながら、凄い人出でありました。

この神社、えびす信仰の総本山を謳うも、町中にあるためか、神域というような厳格な雰囲気はもとよりありません。七福神にも連座する福の神として、商売繁盛を祈願するべたな神さんですからわかりやすいのが身上、我ら庶民の信仰対象としてごく身近に感じるわけです。

なれども、この神様の由緒に関しては諸説紛々、エビスを国譲り神話の事代主(コトシロヌシ)として祀る神社もあり、調べてみると結構面白い。
古事記日本書紀では、その記述には明確な違いがあるようだし、漢字で書けば恵比寿、恵比須、戎、蛭子などいずれの表記も意味するところは共通するが、微妙なズレもある。
蛭子をエビスと読むか、ヒルコと読むかでそのイメージは俄然異なってくる。古事記の国産み神話に従い、イザナギイザナミの第一子ヒルコとした場合は、祟る神、忌むべき神と捉えてしまい、どうしてもダークなイメージを抱いてしまう。葦の舟に乗せられ流離の身に、摂津の国は西宮の浜に漂着し云々、よく語られている福の神として祀られる経緯はそのままでは受け入れがたいもの。後年の事情によるのでしょうが、如何にしてエビスと習合し、福の神とされたのかは興味深いところ。
余談になりますが、蛭子という名字の人がいますよね。例えば、本名か否かはいざ知らず、漫画家の蛭子能収さんの場合は、「エビス」です。福岡にいた時に、この名字の名札をつけた若い女性に出会ったことがあります。
「お名前何とお読みするのですか」と丁重にお聞きしたところ、こちらはビンゴ、「ヒルコと読みます」とのご返事、なるほどそうなんだ。
そんなこんなと妄想しつつ、今日のところは真摯な小市民として、商売繁盛・家内安全に世界平和を交えて祈願したのでありました。