The Cellar Door Sessions 1970/Miles Davis

Cellar Door Sessions 1970 (Spkg)
かの「Live Evil」におけるライブテイクの全豹がオープンに。
1970年12月16日〜19日のワシントン・セラーズ・ドアでの四日間のライヴから録音したものを6枚のCDに収録している。以前からアナウンスされるも、その後音沙汰なし、本年に入りいよいよ発売と告知され、幾度かの発売延期を経て、ここにきてやっとこさリリースされた代物。
キース・ジャレットによるオルガンのソロが素晴らしく、テオ・マセロのハサミが入っていない状態で聴くことができるのではと、期待は大。
マイルスの音楽は、常にJazzの変遷を体現してきた。個人的に、Jazz=Miles Davis 的な視点のもと、マイルスはモダン・ジャズの基本であると考えている。なので、マイルスの創造した音楽は、最初期のパーカー傘下時代のものから、晩年のラップまがいのものまで、全てを愛せてしまうわけだ。
そんな数多あるマイルスのアルバム中、ベストな一枚を問われれば、「Jack Johnson」や「アガルタ」も捨てがたいのだけれど、やはりこれ「Live Evil」となる。
Live-Evil
25年程前、マイルスのレコードとして2枚目に購入した当初は、正直?????状態が長く続いたが、この音楽の真価を見極めて以来、その音の洪水に身を委ねる行為の快感は他の音楽では味わえないことに。今日も尚、日常耳に届くコンテンポラリーな音楽に、「Live Evil」や同時代のマイルス・ミュージックの徴を見いだすことがよくあり、今更ながら先にいきすぎたマイルスの凄さを実感する次第。
発売元のSonyもねえ、ここんとこrootkitで評判はどん底。こういった音源を適正に取扱い、提供することで、文化・芸術に貢献でき、はたまた日の目をみることもあるでしょうから、Milesばかりやってないで、Epicとかの音源にも光をあててよ。まあ、企業側からすれば、売れないものはリリースしないってことでしょうが。