地には平和を

栄光への脱出オットー・プレミンジャー監督

栄光への脱出 [DVD]
昨日のと同様、若年のみぎり、訳もわからず見ていた映画なのだが、ラストの埋葬シーンで、ボール・ニューマン語るところの内容が印象に残り、それが故に長く記憶することとなった。
後年、中東の歴史を学ぶにつれ、この映画が描く物語は、あくまで片側の視点に偏ることを理解する。父祖の地だといっても、紀元前のお話。どう考えても、人様の土地に入り込んで新国家を樹立する行為に正当性なんて見いだせないからね。
それでも年をとるごとに、原作がレオン・ユリス、脚本のドルトン・トランボ、となれば、反応するくらいには、映画ファン度も増したわけ。ここは真摯に見直してみようってことで。
映画「アラビアのロレンス」を愛する想いも、ロレンスがイスラエル建国に果たした歴史的役割を知ると、やや色褪せてくる。悲し。
先の停戦が持続することを祈りつつ。

大いなる西部/ウイリアム・ワイラー監督

大いなる西部 [DVD]
言わずと知れた名匠ワイラー監督の傑作西部劇。
この映画のグレゴリー・ペックも格好良かった。大平原をバックにチャールトン・ヘストンと殴り合ったり、終盤の決闘シーンとかね。かつてのハリウッドが得意とした叙情性溢れる西部劇の名編です。物々しい描写に終始する昨今のハリウッドでは、もうこんな映画は撮れないでしょう。