ラヴクラフト全集完結

ラヴクラフト全集7 (創元推理文庫)
本日の朝日新聞夕刊、文化欄の記事によると、創元推理文庫の「ラヴクラフト全集」全7巻が、30年余をかけて完結した、のだそう。最新の7巻目は購入してないけれど、それ以外は持っていたように思う。いずれの巻も代表作のみに目を通し、後は積読状態で放置していたはず、もったいない話だ。こんな記事を目にしたりするとそんな想いはさらにつのりゆく。
本棚にあった「幻想文学6」*1を取り出してみますと、この号では「ラヴクラフト症候群」なる特集を組んどります。特集とは直接関係ないけれど、作家の辻邦夫さんへのインタビューが冒頭に掲載されていて、ラヴクラフトなども読みますか、との質問への返答は、どこか病的な感性が鋭く歪んでるような感じがし、必ずしも好きではない、とあります。この一文、あまりにうまく言い得ていて強く印象に残るもの。
ラヴクラフトの洗礼を受けているせいか、昨今のホラーもの、小説も映画も、ほとんど惹かれることがありません。その分、アーカムハウス系作家の書籍がたまに訳出されたり、クトゥルーとか、インスマウスネクロノミコンなんて文字を目にしようものなら直ぐにもとびついてしまうわけです。
このblogのタイトルですが、後継者ロバート・ブロックによる著作「あの豪勢な墓を掘れ(Dig That Crazy Grave!)」*2より頂戴しとります。しかして、私も気分的にはアーカムハウスの住人を気取ってるんですがね。

*1:1980年代当時、季刊誌として発行されてました。因みにこの巻の発行日をみると、1984年3月20日とあります。確か、この時期読めなかった「アウトサイダー」も平井呈一氏の訳で掲載されてます。

*2:早川書房刊 異色作家短編集7「血は冷たく流れる」に収録。