亡国のイージス

亡国のイージス 上 (講談社文庫) 亡国のイージス 下(講談社文庫)
「よく見ろ、日本人。これが戦争だ」とか「日本人に覚醒を促す」なんて惹句は、ホントなんだかな。
一昔前であれば、この手のものには、即、飛びついてたはず。
平和ぼけな有り様を憂い、国防やら国家がなんたらと、先のフレーズも含めて、とかくややこしい文脈のみが伝わってきてたんでね、きっとガンダム世代のお兄ちゃんらには受けが良いんだろうけどと、正直、敬遠してたのだったよ。
実際に、読破(この分量だとこの表現が適当)してみると、そんなことどもから想起される限りなくマイナスに傾いた憂国の念ではなく、ずっと理性的な思考に帰結しており、共感さえ覚えてしまう。贔屓のジャンルなのだから、読まず嫌いはいかんかったね。
当世流和風冒険小説。冒険の前に海洋はいらんだろう、面白し。