あの戦争は何だったのか―大人のための歴史教科書

あの戦争は何だったのか: 大人のための歴史教科書 (新潮新書)
久しぶりの新書だわ。
最近、ややこしいことをいう人が多いから、この手の話題は敬遠気味。購入後、なかなかその気になれず、積ん読状態としていた。
さして目新しい説を打ち上げてたりということもなく、ほとんどがこれまでに読んだり聞いたりしてきたことばかり。けれど、太平洋戦争に至る道筋と敗戦までをとてもうまくまとめていると思う。
防衛ライン死守のため、軍が行ってきた戦略のことごとくが失敗し、裏目にでて、ますます追いつめられていく過程はいかにもお粗末。作戦名こそは勇ましいのにね。不謹慎のそしりは免れないかも知れないが、簡単な記述に終始するこのあたりの内容は、正直面白く読み進めることとなった。
大した戦略もなく始めた戦争、そんな戦争遂行の過程を首脳部の愚かしい行動を順序だって読みゆけば、敗戦に帰結するのはなるほど明らか、実にわかりやすい。海軍さんの戦争継続に果たした役割を、元凶として指摘しているところが新しいか。