ザ・コンプリート1957リバーサイド・レコーデイングス/セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン

ザ・コンプリート1957リバーサイド・レコーデイングス
ジャズを聴き始めた頃、セロニアス・モンクであれば「ブリリアント・コーナーズ」と「モンクス・ミュージック」によく針を落としたものだ。
俗に言うジャズ名盤群が放つ魅力は様々。和の心を擽るマイナー調であったり、耳障りのよいメロディーであったり、また有用なソリストの流麗なプレイといったことどもに、若き日の私めは魅せられ、結果、侘びしい予算をやり繰りしてディスクの購入を重ねる月日を過ごすこととなった。
だだ、モンクに関しては少々事情が異なっていて、一風変わったその摩訶不思議な音世界は、通常のモダン・ジャズに馴染む耳には異様に響き、確実に一線を画する雰囲気が備わっていたように思う。
ジャズを聴くのだと意識してから、または初めてモンクの音楽を耳にしてより二十有余年、「モンクス・ミュージック」と「セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン」に未発表の音源が追加された新装丁の本ディスクを聴くにつけ、当時モンクの音楽に抱いた印象を追想することとなった。