ご冥福をお祈りします。

http://www.asahi.com/obituaries/update/0908/001.html
個人的には、若狭・福井という地名は氏の名前と常にオーバーラップする。暗澹とした日本海側の風土と酌んでもつきぬ悲哀に満ちた初期作品群の持つイメージは、氏の名前とは切り離せず、体の深奥に焼き付いている。もっとも氏の著作に描かれる同じ風景に立った経験があるわけではない。レジャーの機会を除けば、ほとんど訪れることのない現実の彼の地は別次元の世界と映る。
もとより熱心な読者ではない。それでも氏の著作を読むのに費やした時間は、常にある種の至福をもたらしてくれたものでした。