「爆魔」ブライアン・フリーマントル

爆魔〈上〉 (新潮文庫) 爆魔〈下〉 (新潮文庫)
新潮文庫からのフリーマントルは今年2作目、春にでた「城壁に手をかけた男」ではチャーリー・マフィンも未だ健在、更に生き残りの冴えをみせる。
こちらは、FBI捜査官ウイリアム・カウリーとモスクワ民警の刑事ディミトリー・ダニーロフがタッグを組んで米ロにまたがり捜査に臨むシリーズものの3作目。
今回は極右テロリストと武器を供給するロシア・マフィアを敵にまわし奮闘するのですが、さすがフリーマントル、相変わらず面白いです。
この作家、飛び切りずば抜けた快心作もないけど、常に及第点以上の作品を提供してくれる。冷戦終結後(いつの話やという感じ)、かつてのレベルを維持できず凋落していく作家が多い中で、未だ気を吐く貴重な存在。
今年2作目を供給してくれた新潮社にも感謝。でもこのタイトル(「爆魔」)は、ヒドイ。もうちょっとね、何とかならんかったものか。