チェット・ベイカーのMy Funny Valentine

チェット・ベイカー・シングス
この日には、生来、縁がない。ここまで年を経るとなおさらのこと。それでも、この時期、思い出したかのように、同曲が収められたディスクをやたらヒッパリダシ楽しんでいたりする。
「毎日がヴァレンタインデイ」と歌うロジャース&ハートの名曲であります。
筆頭はなんと言ってもチェットのこのディスクでしょう。
若かりしチェットの独特な歌唱も印象的ですが、晩年様々なレーベルに吹き込みまくった同曲の歌唱・プレイも侮りがたいというか、むしろそちらの方が最近の我が心象にはよりフィットしてくるよう。
My Favourite Songs - The Last Great Concert
オーケストラをバックに従えたこのあたりのプレイは圧巻。今なお愛聴盤である。
薬と放蕩に明け暮れたミュージシャンの最後のあえぎというか、凄みがヒシヒシと伝わってきて、何気に不気味。その音楽はパシフィック時代とは対極の美しさを随所に垣間見せるもの、私が晩年のチェット・ベイカーを愛して止まない由縁なのです。
映画「Let'S Get Lost」を見直してみたいものだ。はようDVD化せいよ。