狼の帝国/ジャン=クリストフ・グランジェ

狼の帝国 (創元推理文庫)
映画「クリムゾン・リバー」は見ましたが、原作の方までは読んでいなかった。表紙に映画の写真、それもジャン・レノが配されてたりするもんですから、続きものというか、てっきり同主人公が登場するのだろうと、ページを繰り始める。
直ぐに引き込まれ、一気に読み上げる時間が欲しいと思わせる一冊ではありました。とても面白いです。個人的な嗜好としては、主題に連なるエスニックな味付けは好ましいところ。それでも、常に読みつける米産のミステリーとは趣が大きく異なり、戸惑も。
いやまあ、次から次、バッタバッタと○○○しまうもんですから、その度、それまで熟成したヒロイックなイメージのやり場に困ってしまったりして。仏という国の国民性なのでしょうか、新鮮ではあるけれど、読後に抱いた違和感は消化し難し。