昭和史発掘1/松本清張

新装版 昭和史発掘 (1) (文春文庫)
最近、よくテレビに出演し、当時を語る鈴木宗男の言動に耳を傾ければ、実はこの人、現政権に嵌められたのでは、との疑念が芽生えてくる。
ホリエモンが確信犯であることは間違いなかろう。けれども、いわば一犯罪者にすぎないのを、かくも盛大にさらし者にしてしまう検察に、なんらかの意図があるのは明白。とりあえず、留置場に放り込んで、その言動を封殺し、やり過ごさせる、ってことか。
「日本の黒い霧」から本書へと読み継いでゆくと、
いずれの御方もいい時代に巡り会わせたようで、生きているだけ拾い物、一昔前であれば、線路上でバラバラ死体になっていたり、拉致され二度と日の目をみることなく冷たくなって路上に放置されたり、と有無を言わさず冥途の旅へと追いやられたのだろうから、
なんて実しやかに想像してしまう。
昭和初期の世相を背景に、政界や軍やらの悪党が跋扈する時代の出来事を、清張さん独自の取材でものにした力作。小説ではありません。
以前に取り組んだ折には、現在の新装版より巻数が多く、字も細かだったりし、全巻読破に至らず、中途で放り出してしまった。なので、この1巻目は再読ということになる。
通勤時の慰みとしては少々重い感じはするものの、初読時に比べてスラスラ入ってきます。面白くってね、環状線、2、3周したろかなと思います。さあて、年内に全巻読破できますかな。